メルトダウン(炉心溶融(ろしんようゆう)とは、原子力発電では、核燃料を人工的に非常に高温な状態とするため、核燃料を納める圧力容器内は、水などの冷却材によって常時管理冷却されている。
この水が、循環・廃熱などのトラブルに見舞われると核燃料が冷却材から露出する状態となり、結果、異常過熱の後に溶ける。
この現象を、メルトダウン(炉心溶融(ろしんようゆう)とよぶ。

冷却材より露出、異常加熱した核燃料がその熱によって圧力容器や原子炉格納容器、及び施設を破壊すると、大気中に多くの核物質が放出される事となる。

軽水炉(BRW・PRW)の場合は溶けた燃料棒が圧力容器内に溜まった冷却材に落下すると、空焚きした鍋に水を注いだ時のように爆発的に水蒸気を発生(水蒸気爆発)させる。
結果、圧力容器内の内圧が限界を超え破裂し、更に原子炉格納容器、及び施設を破壊すると、大気中に多くの核物質が放出される事となる。

現在まで(2011年03月13日)にメルトダウン(炉心溶融(ろしんようゆう)の事故が発生したのは、
1966年 エンリコ・フェルミ炉(高速増殖炉)
1979年 スリーマイル島原子力発電所事故(加圧水型軽水炉)
1986年 チェルノブイリ原子力発電所事故(黒鉛減速沸騰軽水冷却炉)
の3件で、チェルノブイリ原子力発電所の事故は原子力発電史上最悪の事故といわれ、多くの人の記憶に残っている。

現在、2011年03月11日14時46分頃に発生したの影響で、東京電力管理の福島第一原子力発電所の1号機(BWR)と3号機(BWR)がメルトダウン(炉心溶融(ろしんようゆう)の兆候が確認されており、内部の水蒸気を核物質が大気へ開放されるリスクを承知でベント(強制排出)するなどの処置が行なわれている。

しかし1号機に至っては通常制御復帰の可能性は少なく、海水を注入する作業がおこなわれている。
これは世界初の緊急措置で、専門家からは『これからは未知の領域』と注目を集めている。

最後に日本のマスコミは反原子力団体の影響を受け、不安を煽る報道ばかりしているが、現在周辺で検出されている放射線量は1000マイクロシーベルト超で、この数値はレントゲン医師等なら毎日浴びてる数値なのだそうだ。
国が定めている年間被曝許容数値は50ミリ(=50000マイクロ)シーベルト。

過剰に反応してあわてないようにとお願いしたい。